吉田寮の施設について
文責:stu
吉田寮は京都大学の最古の寄宿舎である。現在は吉田寮自治会が当局との確約に基づき自治を行っている。現状当局による補修がストップし、補修も寮生たちが自力で行っている。(たまに当局が「危険な寮に学生を住まわせるわけにはいかない」と言っているが、現棟が古いのは我々も重々承知している。当局に補修のお願いを出して一度は承認されたのだが、当局が急に吉田寮を無視し始めて団体交渉も開かれず、結果として補修をサボられ続けているという経緯があったりする。)。以下に吉田寮の地図を示すので参考にしてほしい(絵がヘタだという意見は受け付けられない)。
現存する建物は「現棟」「食堂」「新棟」と、大きく分けて三つある(図参照)。ちなみに新棟のトイレはオールジェンダーである。それはジェンダーを問わずだれでも使える完全個室型トイレで、吉田寮内での検討と大学との交渉を続けた結果得られたものだ(詳細はp.156やp.164を参照)。吉田寮ではどこをどのように使うのかということは基本的に寮生の話し合いによって決められている。例えば新型コロナウイルス対策のために陽性者や体調不良者を隔離するための仕組みや、寮と社会との交流のために特殊な運用をしているスペースなどがある。では各建物に付随するスペースについて解説していこう。
【現棟】
1913年から存在する木造二階建ての建物である。現在は食堂とともに京大当局から安全性を建前にして立ち退き裁判を起こされている。並行する北寮、中寮、南寮と、それらをつなぐ管理棟で成り立っており、上から見るとEの字の構造になっている。現棟には居室があり寮生がたくさん住んでいるが、これを読んでいる新入寮生は裁判の関係で新たに現棟に部屋を持つことはできない。
はじめて吉田寮に来る人が訪れるのは正門から続く長い並木の先にある現棟の玄関だろう。2018年までは対応してくれる職員がいたが当局が職員を引き揚げてしまったので、現在は有志の寮生が電話対応や来客対応を行う。外から一段上がるようになっているが、寮の廊下は外履きなのでそのまま上がるようになっている。ここには畳とこたつがあり、共用スペース化している。人がよくたまっている。
現棟には居室のほかにも広いつくりの大部屋というものがいくつかある。中でも旧印刷室(旧印)ではよく人がたまっている。コタツやTVがあるのでそれ目当てでやってくる寮生もおり、何人か集まると鍋パーティー、アニメや映画の上映会が開かれたりする。他にも茶室、ビリヤード部屋、舎友室があり、会議などに使われることもある。マンガ部屋やゲーム部屋、麻雀部屋もある。興味があるなら訪ねてみるといいだろう。
【食堂】
京大最古の建築物であり、寮生と社会との交流スペースである。2015年に全面改修されており、ぱっと見現棟より古いとは気づかない(にもかかわらず京大当局曰く安全性に問題があるらしい)。寮内外の「食堂使用者」による独自の自治が行われている。某デミックのせいで去年の秋頃まではあまり行われていなかったが、ライブや演劇の公演、ワークショップなどが開かれ寮内外からたくさんの人が訪れる場所である。ほかにも集会所として会議や総会、新歓に用いられる。
吉田寮の食堂では寮食などは提供されないため(たまに善意のご飯がふるまわれることがあるけども)、多くの寮生がここで自炊をすることになる。タテカンもここで制作されるため、資材などが積まれたりしている。机や椅子などが大量に並べられており、使用目的に合わせてある程度それらが並べ替えられる(寒くなるとここに畳が敷かれコタツが持ち込まれる)。冬場の食堂は冷え込むので、ストーブやこたつのまわりに寮生が群がる姿がよくみられる。
また食堂内には厨房という特殊な場所が存在する。ここは本格的な設備を備えた広い調理場と、寮内外の「厨房使用者」達によって維持運営されている演奏スペースがあり、ロックに乗りながら調理ができる。厨房でライブが開かれることもある。「厨房使用者」についてはp.38を参考にしてほしい。
【新棟】
2015年に新築された3階建ての鉄筋コンクリートと木造の混構造で西寮とも呼ばれる。そしてこれを読んでいる新入寮生が部屋を割り当てられる場所でもある。西寮地下には共用の洗濯機、完全個室のシャワー室がある。調理場、トレーニングスペースなどもある。寮生は相部屋を基本として複数人で複数部屋を共有し、談話室や共用スペースとして食堂・厨房、大部屋などを活用している。
居室は基本的には6-8畳の畳敷きで、ベランダがある。下駄箱や押し入れといった収納スペースもある。私は3人の寮生と新棟の2部屋を共有し、一部屋を睡眠のための部屋、もう一部屋を遊ぶ部屋にしてある。部屋の使い方および割り振りは各部屋集団に任されており、さまざまな形が存在する。慣れてきたら遊びに行ってみるといいだろう。