窓から差し込むの光で目が覚めた。ピアノの音で体も起きてくる。さぁ,食堂暮らしの始まりだ。
Q1.食堂で寝ることの何が良いのですか?
A.まず,一日の始まり方が良いことです。自室の布団で寝たら,目が覚めた後もスマホを見るなどしてグダグダしてしまいます。でも,食堂で起きればそんな心配はありません。朝起きてすぐに食堂にいる人々とお話が出来ますからね。あーそうそう,朝起きて一人だと何か寂しいですよね。そんな心配も食堂で生活すれば無用です!
Q2.どこで寝るんですか?
A.炬燵かソファですね。食堂に転がっている物々は無限の可能性なんです!
Q3.起きたらどうするんですか?
A.ストーブの周りや炬燵で作業したり,人と話したり,隣の厨房で料理をして食べたり,麻雀を打ったり,楽器を弾いたり$\cdots\cdots$生きています。
Q4.一日中ずっと同じ場所にいて,生活に張りはあるのですか?
A.家と職場の往復で構成される生活は如何でしょうか。人の生活というものには,多かれ少なかれルーティーンがあると思います。そうしてみれば,日々場所を移動し続ける旅人の生活だって,「無限に繰り替えす日常」の変奏と言えるでしょう。そもそも,“生活の張り”とは何でしょうか。ハレとケの別のある日々?毎日疲れてぐっすり眠れるような日々?そういうものは,生活の中で自らの手で作っていくものではないでしょうか。要するに,あなたの問いこそが,“生活の張り”を生み出す契機となるのであって,どれくらいどの場所に居るかということは「張りのある生活」の原因として大して重要ではないのです。
Q.5何故食堂を選んだのですか?
A.うーん難しい。強いていうなら,その可能性の広さですかね。食堂の物々が可能性を秘めているというのは先に述べましたが,前提として,食堂には「広さ」という可能性があります。物は空間があって初めて真価を発揮しますからね。そして人です。食堂には実に多くの人々がやって来ます。人の数だけ世界があるとすれば,ただでさえ広い食堂の空間は,無際限に広がっていくとも言えるでしょう。そうはならないか。まぁ,多くの人々がいて,話をしたり遊んだりするのは面白いことだと率直に思います。妙な生き物が活発に活動する前は,もっと多くの人々が食堂にいたと思うと——胸が震えますね。早くそうなって欲しいものです。
Q6.あなたの話は少々嘘くさい所がある。試しに,最近食堂で起きた面白いことを教えて下さい。
A.そんなこと言わないで下さいよ。全部本当に思っていることなんだから。そうですねぇ$\cdots\cdots$一昨日はそこで焼肉をしましたよ。炭火コンロを使ってね。スーパーでお肉を買ってきて,5人でお腹いっぱい食べましたが,それでも一人600円。すごいでしょう?あなたもどうです?食堂に来てみませんか?あなたですよ。いま私を読んでいるあなた。是非食堂に来て下さい!
title:食堂暮らし
author: A.