新旧留学生寮生対談

新旧留学生寮生対談

 

 

新旧留学生寮生の対談

ーーこれから入寮を考える貴方へーー

Miikaelさん:エストニア出身で、入寮して六年間。大学院生で哲学専攻。

hicoさん:中国出身で、入寮して半年。大学院生で歴史専攻。

(以下敬称略)

hicoMiikaelさんはどこで吉田寮のことを知ったの?

Miikael:きずなで教えてもらった(注:京都大学の留学生ラウンジ)。宿無しで京大に来たから、最初の三日はホームレスだったよ。キャンパスでウロウロしてたらきずなを見つけて、そこの職員に吉田寮のことを教えてもらった。吉田寮の茶室に数週間で住んでから、アパートを半年借りて、でもやはり吉田寮の雰囲気が好きで、新しく入寮募集が始まった時に正式的に入ったよ。

hico:そうなのか。きずなの職員から教えられるのは今じゃなかなか考えられないよね。自分は学部生の時に吉田寮のやぎや孔雀などの逸話を聞いてからずっと入りたかったし、そういう自由で破天荒でなんでもありのところに惹かれていた。Miikaelさんもそう?

Miikael:まずは安いというところね(笑)。あとは自由な雰囲気と個人責任のところかな。入寮のオリエンテーションで皆言われたと思うが、問題解決は基本的に「当事者間」で決める。ただ、ここ数年間で少しずつ雰囲気が変わったような気もする。

hicoさん:たとえばどう変わったの?

Miikael:近年日本社会全体の雰囲気にも影響されていると思うけど、弱者を守るという考えが最近あるように思うよね。

hicoさん:なるほど。自分はまだ入寮して浅いから、当事者間解決に直面するようなシーンがまだなくて。でも問題解決は「当事者間」でというルールはすごくいいと思う。そういえば、Miikaelさんは寮のどの部局に入っている?

Miikael:宿泊係をずっとやっていた。一時期総会でも活躍もしてたよ(笑)

hico:自分は言語支援局にいる。まだ日が浅いけど。ところで思い出したけど、自分は入寮してから皆と廊下ですれ違って挨拶してもわりと無反応のことが多いが、これは普通なのか?

Miikael:う~ん、普通じゃないね(笑)。多分寮生ではなく、外部の人と思われてるんじゃない?だって、私も最初hicoさんを吉田寮に遊びに来る人と思ってたから。

hico:寮生はお互い大体顔を覚えているの?!

Miikael:入寮オリエンテーションの後に、食事会があるんじゃないか。そこで大体新入寮生を覚えていると思う。

hico:なるほど!私の時は用事が入ったから、正式的な入寮オリエンテーションではなくて、後で追加開催されたものに参加してた。それで、皆とお互いに顔がわからないわけよね。4月に入寮オリエンテーションに顔を出そう(笑)。

Miikael:コロナの関係で、寮内のイベントが多くできなくなった。コミュニケーションがコロナ前と比べると少なくなってしまった。コミュニティーは大学という研究機関にとって大事なので、オンライン講義になったいま、大学機関の存在意義が問われているように思う。

hico:確かに、ただ講義を聞くだけなら、大学がなくてオンラインで十分でしょうね。コロナはやはり色々と大変で、吉田寮は共同生活だから、なおさらコロナ対策に気を配っているよね。

Miikael:そうね。消毒やマスクの着用などが喚起されているし、ゾーニングもされた。それはすごくいい点だと思う。

hico:私もそう思う。学生自治といえば、ゆるい雰囲気と思われがちだが、有事の時はきちんと対応しているよね。

 最後に、これから吉田寮に入りたいと考えている留学生にコメントをしていきましょうか。

Miikael:そうね。吉田寮は日本語を学び、日本文化を体験できる良い場所なので、入寮を強くお勧めする。ただ、自分のアイデンティティを弱者に見出すものは吉田寮に向いてないかもしれない(笑)。人間は本来弱いものだけど、強くなりたいと思う者にとって吉田寮は間違いなくお勧めできる。また、寮内で研究会や読書会は催されているけど、新しく入寮する人も自発的に声を掛け合ってやってほしい。吉田寮から著名な研究者が出れば。吉田寮の存続価値にもつながる。

hico:すごく良いことを言っているから、その後のコメントは困っちゃうね。えっと、恐らく吉田寮は京大で一番自由なところじゃないかなと思う。学生時代の内にそうした自由の空気を吸っておくことはとても大事だと思う。自分の場合、吉田寮の入寮を4年半考えてやっと実行に移ったけど、入寮してとても良かったと思っている。入寮を迷われる方はまず見学に来てみてください。あとは入寮したら、オリエンテーションの後の食事会に顔を出すことを強くお勧めする(笑)。

※上記内容は個人の経験に基づいた話である。

文責:hico