大覚院パピコの華麗なる朝

大覚院パピコの華麗なる朝

2022年2月24日

 

 

大覚院パピコの華麗なる朝  

大覚院パピコ

大覚院パピコの朝は早い。毎朝 6 時ちょうどに起きて、ぬいぐるみを殴る。 小学校 3 年生のときに買ってもらった熊のぬいぐるみ、ミルクの腹に右手 で一発。その後、洗面所に行き、歯を磨き、顔を洗う。

台所に行き、水道水を電気ケトルに入れ、食パンをトースターに入れる。 紅茶を入れるカップと受け皿、トーストをのせる白い皿を机に置き、容器 に入ったバターを冷蔵庫から取り出す。トーストが焼けるとトーストにバ ターをのせ、バターナイフで伸ばす。お湯が湧いたら紙パックで紅茶を作 る。トーストを食べ終わると、タブレットで日経電子版を読み、その後一

日の予定を確認し、紅茶の残りを飲む。パピコの朝は静かだ。 皿を洗い、寝間着から前日の夜に畳んでおいた服に着替え、パジャマを洗 濯物かごに入れる。服の着方は服によって決まっているが、どの服を着る ときも、触れるのは右手からである。

鞄の中身を確認し、小学校 4 年生のときに買ってもらった熊のぬいぐるみ、 マロンを殴る。腹、頭、右腕、右脚、左脚、左腕、背中の順番に左手で一 発ずつ、その後、逆の順番に右手で一発ずつ。それが済むと「ミルクおは よう、マロンおはよう、チョコおはよう」と唱える。高校生の頃から全く 変わらないパピコのルーティンだ。

詠唱が住むと勉強を始める。何を勉強するかは日によってさまざまだ、前 回の授業の復習のときもあれば、趣味の勉強の時もある。朝、冴えた頭で 勉強する時間はパピコの最も好きな時間の一つだ。授業開始 30 分前にな ると勉強を切り上げ、「ミルクハニアガモギアガニ、マロンナオグモモギサ サニ、チョコナフナノノモギカラニ。ミルク、マロン今日も殴ってごめん なさい。今日もよろしくお願いします。フコウガフコウガフコウヲノゾミ、

コウガコヨウガユルサナイ」と唱える。玄関で右足から靴を履いた後「い ってきますミルク、いってきますマロン」と唱え、家を出る。家を出ると きは必ず右足からである。パピコが大学につくのはいつも一限が始まる 10 分前である。