雀士募集!
文責:1050年西地下行き
雀士募集。この一言だけで何が言いたいのか伝わる方には、もはや言葉は不要だろう。しかしそうでないからといって関心を失わないでほしい。さらりと次のページに行く前に、少しだけ待ってほしい。この記事はそういう方のためにも書かれたものだからだ。
麻雀、というゲームがある(すでに知っている方はこの辺りは読み飛ばしてもらって構わない)。プレイヤーは4人、テーブルの上で行われるゲームで、全部で136枚の「牌」と呼ばれる札を順繰りに手元に揃え、手牌(手元の牌)の並びの綺麗さを競い互いに点を奪い合うゲームである。運が強く絡むものの、それだけではなく、むしろ運を如何に活かすかという部分にテクニックが要求される。役だの符だの牌効率だのの話は置いておくとして、ひとまず上記のように理解してもらえれば問題ない。
さて、この麻雀というゲーム、吉田寮では結構な人気を誇る。吉田寮の麻雀人口は20名を下らず、現在も増加傾向にある。自然、卓が立つ、つまりゲームが成立するのも早く、夜になると決まって麻雀部屋(そういうものが実在するのである)から牌をかき混ぜるじゃらじゃらという音が響くことになる。そういうわけだから、吉田寮に入寮するメリットの一つに麻雀仲間を見つけられるというものを挙げることもできるだろう。
それでは、麻雀の何がいいのか? 一つは前述したゲーム性である。牌を配られ、手配を確認したその瞬間から、プレイヤーは自らの手腕を試されており、自らに配られた牌を活かして他のプレイヤーと如何に差をつけるかについて考え始めることになる。この緊張感は麻雀の魅力の一つであろう。また、麻雀は人間関係の滋養にも役立つ。麻雀のゲームは長い。半荘と呼ばれる標準的なゲーム一つでおおよそ二時間、吉田寮の中でも筆者の属するコミュニティでは二半荘を一つの区切りとして行う麻雀が主流なのでだいたい4時間。それだけの時間を他三人と共に過ごすことになる。ゲーム進行中も行われる他愛無い会話や雑談の中、人間関係を育むことができるだろう(麻雀はゲーム性に会話を含まないため、ゲームとは関係なく今日行ったラーメン屋の話や好きな音楽の話などができるのだ)。これもまた、麻雀がお薦めのゲームである一つの理由である。
吉田寮に入寮することがあれば、是非麻雀をやろう。経験者ならもちろん大歓迎、食堂や受付でたむろしている寮生に声をかければすぐさまゲームを始められるし、仮に未経験であっても、誰かに教えてもらうことを通してその誰かとの距離感をつかむことができるようになるだろう(教えたがりの寮生・寮外生は多く、教師役は選り取り見取りである)。雀士募集。吉田寮は、いつでもあなたを待っている。